Lesson2-1 犬のボディランゲージ

犬のボディランゲージを読もう

犬は様々な仕草でわたしたちを魅せてくれる存在ですが、その意味を知らなければ要求を正しく読み取ることはできません。このLessonでは犬の仕草について1つ1つ解説していきましょう。

犬の様々な状態について知ろう

犬の目、耳、口もとの動きを観察しましょう。尻尾の位置も犬の気持ちを表すバロメーターになります。これら1つ1つを正確に読みつつも、他の仕草で異なる気持ちを表していないかどうかチェックすることで、犬の気持ちがだんだん読めるようになります。

口は目以上にものをいう

口が軽く開いて舌がわずかに覗いている状態の犬を見たことは多いでしょう。これは、犬がリラックスした状態にあることを示しています。一方で、口を閉じて歯も舌も出していないときは、目の前の対象に興味を抱いて注目しているといった意味になります。

うなり声をともなうことも多いので分かりやすいと思いますが、口を半ば閉じた状態で歯を見せるのは威嚇のサインです。更に唇がめくれて犬歯まで見せてきたら、これはもう完全に怒っています。怒り心頭に達すれば、唇が完全にめくれて全ての歯が見える状態になります。これは猿の威嚇を想像すれば分かりやすいでしょうか。

見つめられるのが苦手

犬にとって、相手をじっと見つめるのは威嚇のための行動です。したがって、わたしたちがまっすぐ犬の目を覗き込んでいるとき、犬は威嚇されていると考えてしまいます。逆にわたしたちが犬の目を見つめたり叱ったりしたときに、犬が目をそらしたら、「敵意がない」という意味になります。

瞳孔の大きさにも注意しましょう。犬が瞳孔を広げるのは光を目の中にたくさん採りこむためですが、明るい場所にも関わらず瞳孔が広がっているなら注意が必要です。これは緊張と興奮のサイン。その状態に加えて、目をそらさない場合は、犬が攻撃をしかけようとしている可能性があります。

耳の立て方や向きに注意しよう

耳を直立させたり前方に傾けるのは、人間が自分の耳の後ろに手を当てているようなものだと考えると分かりやすいでしょうか。「もっと良く聞かせて欲しい」といった目の前のものに対する驚きや好奇心の発露として、犬は耳をピンと立てています。

Lesson2-1

両耳をぴったりと後ろに寝かせ、自分の体をなるべく小さく見えるように縮こまるときは、服従を表現しようとしています。耳を左右に広げているときは悩みや恐怖、そして怒りの感情が入り混じっています。また、耳を突き出したり引いたりしている時は躊躇しつつも距離をはかっている、という状態です。

尻尾は分かりやすいバロメーター

犬が尻尾を振っているときは好意的な感情を示すことが多いのですが、そうでないときは尻尾の位置や角度で感情を推測することができます。基本的には尻尾が立っているときは気も立っている地面と並行であれば落ち着いており、下がった時は不安を感じています。特に尻尾が後肢の間に巻き込まれているときは、降参の意を示しています。

いかがでしたか? 犬の体は内面と密接に結びついています。目、舌、耳など分かりやすい部位の動きを見れば、初対面の犬が相手でも、内心では何を考えているか見当がつくようになるでしょう。次回はもっと踏み込んで、カーミング・シグナルについて学びましょう。