Lesson1-1 犬ってどんな生き物?

人類最古の友

犬は私たち人間にとって最も身近な動物です。

学名のCanis lupus familiarisは、ラテン語でそれぞれ「犬」「狼」「家庭に属する」という意味。かねてより最古の家畜として知られており、四大文明の時代にはすでに人間と一緒に暮らしていました。メソポタミア文明やエジプト文明では彫刻や壷、壁画に犬の絵が描かれています。古代中国の甲骨文字にも「犬」を意味する文字があり、これが時代を経るにつれて現在の「犬」の字になったようです。

人間社会における犬の役割は多岐に渡ります。牧畜狩猟などで人間の生活を補佐するために飼育したり、愛玩動物として飼ったりするのが一般的ですが、それだけではありません。現代では警察犬災害犬として活躍する犬もいますし、最近ではアニマルセラピーの流行にともない、人間の心のケアをするセラピー犬が有名になりました。

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現代社会における犬たちの主な役割を列挙してみましょう。

  • 牧畜犬……羊を追い込むなどの方法で家畜の世話を助ける。
  • 愛玩犬……人間に飼われ、家族のように一緒に生活する。
  • 番犬……住居や牧場などを見張り、外敵の侵入を防ぐ。
  • 猟犬……獲物の探索や追跡などで猟師の補佐をする。
  • 警察犬……優れた嗅覚を利用して犯罪捜査を助ける。
  • 災害救助犬……災害発生時に出動し、遭難者を救助する。
  • セラピー犬……病院や医療施設などで患者の心をケアする。
  • 身体障害者補助犬……障害者の生活を助ける(盲導犬など)。

犬たちが様々な分野で活躍していることが分かりますね。次からは、私たちの生活に欠かせない犬たちのことを、「進化の系譜と犬種」「犬の一生」「体の特徴」に分けて学んでいきます。