Introduction ペットの看護やセラピーのプロになろう

人間にとって最も身近なパートナーに詳しくなろう

ペットを飼ってみたい、でもきちんと面倒を見られるかどうか分からない……そんな不安を抱いたことのある方も多いのではないでしょうか。たとえば「犬に玉ねぎを食べさせてはいけない」とは聞いたことがあっても、他にも与えてはいけない食材があるのかもしれません。「トイレの掃除は1日1回でいいの?」なんて疑問も次から次へと出てくるでしょう。

犬や猫は私たち人類の大切なパートナーですが、意外と知らないことが多いものです。

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この講座では犬や猫の体に関する知識適切なコミュニケーションのとり方、いざというときの応急処置まで、ペットとの生活に必要なことを幅広く学びますペットのちょっとした仕草や表情から感情を読み解いたり、体調管理に関する知識を身につけるのは、飼い主にとって大切なことと言えるでしょう。

また、ペットショップや猫カフェなどで役に立つトリミング知識を修得できるのも、この講座の特徴です。現在、ペット産業の市場規模は1兆4000億円とも言われており、飼い主一人ひとりがペットにかけるお金は増え続けています。ペットの介護やセラピーができるプロは、今まさに求められているのです。

ペットの行動から気持ちや体調を読み取る

あなたの飼い犬はこんなことを考えている

たとえばこんなことがあったとします。

「椅子に座って本を読んでいると、愛犬がやってきて膝の上に前足を乗せました。相手の体や顔に前肢をかけるのは『自分の方が上』だと誇示するための仕草だと聞いたのですが、本当でしょうか」

これは半分正解で半分不正解になります。なぜなら、犬同士の場合は、相手の体に前足を置くのは優位性をしめす行動になるのですが、飼い主に前足を置くのは何かをお願いするためなのです。飼い主は覚えていないかもしれませんが、犬はかつて同じように前足を置いたとき、食べ物を分けてもらったり、撫でてもらったりしたことを覚えています。

犬の要求に応じてあげるには、このようなサインをきちんと読めるようにするのが大事なのですね。

猫が冷たい場所に行くのは病気のサイン?

死期を悟った猫はひっそりと姿を消す、という言い伝えをご存知の方も多いでしょう。猫は悟らせない生き物です。人間にはなかなか弱いところを見せてくれません。だからこそ、不調に気づくためには、ちょっとした変化を見逃さないようにしなくてはなりません。

たとえば、たいして暑くもないのに猫が冷たい場所に行くのは病気のサイン。猫の平均体温はおよそ38℃、暑さに強い動物なのです。涼しい場所へ向かうのは、何らかの理由で体調を崩して体温が下がり、普段の居場所を暑く感じるから、という可能性があります。また、体調が悪いとき、猫はこっそり隠れたりするのですが、そこがたまたま冷たい場所だったという可能性も考えられます。

いずれにせよ具合が悪そうです。すぐ獣医に連れて行きましょう。

しつけやトリミングに必要な知識

叱る以外のしつけ方もある

いくらしつけても犬が問題行動をやめない……そんな悩みを抱えている方は、ひょっとしたらあまり有効ではない方法を選んでいるのかもしれません。たとえば、いけないことをしたときに叱りつけても、犬の方が「叱られている」と理解していなければしつけの意味がありません。

負の罰という考え方があります。これは、犬のごほうびをなくすことで望ましくない行動をやめさせるというもの。「それ以上続けたら何か悪いことが起こる」というサインで条件付けをして、しつけを行うのです。声を荒げる必要もなく、しつけとしては大変効果的なのですが、一度学んでおかないとなかなかこういう発想は出てこないものです。

猫のブラッシングにもコツがある

ブラッシングは猫を清潔に保つ上でとても重要です。上手くいけば飼い主と猫の間に信頼関係を築くきっかけにもなるでしょう。もちろんそのやり方にもコツがあります。まずは背中を撫でる要領で、軽く背を上から押さえて毛を梳かしていきます。それから毛玉の出来やすい首の下やお腹を丁寧にブラッシングしていきましょう。

猫にも個体差があるので、重点的にブラシをかけるべき場所など、実際にやってみないと分からないこともたくさんあります。でも、まずは基本的なやり方を押さえなければ先へ進めません。基礎を身につけ、猫ごとに表情や仕草を読みながら柔軟に対応していけば、お互い満足のいくブラッシングができるようになるでしょう。

ペット看護&セラピーエキスパートはこんな資格

  • 飼い主としてペットのことをより深く知りたい
  • 犬猫に関する知識をもっともっと深めたい
  • 近所のペットたちと上手く付き合っていきたい
  • 猫カフェやペットショップ、その他ペット産業で活躍したい

ペットが好きな方にぴったりの資格です。

犬や猫と直接会話することはできませんが、あの子たちも様々なことを考えています。体や行動に関する知識を深め、ささやかな仕草から感情を読み取れるようになれば、ペットと一緒の生活はまるで違ったものになるでしょう。

もちろん実用的な側面も充実しています。ペットのお世話に関する知識は、ペット産業で役立つだけでなく、お金を節約する上でも重要なのです。犬や猫は人間と違って保険が効きません。もし病気や怪我で病院に行く機会が増えれば出費もかさんでしまいます。私たち人間は、体を壊して診察や治療に多額のお金を使うぐらいなら、毎日たくさん野菜を食べて睡眠をしっかりとる方が結果的に安上がりになることも多いのですが、ペットにだって同じことが言えるのです。

また、近年では動物福祉アニマルウェルフェア)という理念が盛り上がっています。これは家畜の飼育環境の改善を目的としたもので、5つの自由(Five Freedom)という福祉基準が定められています。

  1. 飢餓と渇きからの自由
    “Freedom from hanger and thirst ”
  2.  苦痛、傷害又は疾病からの自由
    “Freedom from pain, injury and disease ”
  3.  恐怖及び苦悩からの自由
    “Freedom from fear and distress ”
  4.  物理的、熱の不快さからの自由
    “Freedom from discomfort ”
  5.  正常な行動ができる自由
    “Freedom to express normal behavior ”

畜産業に従事していなくとも、無関係ではありません。ペットも家畜も命の重さは同じです。動物愛護の機運は年々高まっていますので、やがてアニマルウェルフェアはペットの飼い主にも求められるようになるでしょう。犬や猫の看護とセラピーの学習を続ければ、このような考え方も自然と身につきます。