Lesson13-2 シャンプーの実践・猫編

前回のLessonで準備は整いましたね。それでは、猫シャンプーの実践に移りましょう!

猫をシャンプーする手順

事前のブラッシングと耳掃除

ブラッシングは以前のLessonで触れた通りのやり方で構いません。水に濡れても毛が絡まりやすいようにする、お風呂場の排水溝に毛を絡ませないなどのメリットがあります。耳掃除をする理由は前回触れたとおり、猫の中耳炎や外耳炎を防ぐためです。コットンや耳栓も忘れないようにしましょう。

湯を張るときはぬるいくらいの温度で

準備ができたらバスタブ(洗いおけ)に10cmほどぬるま湯を張ります。温度については高過ぎず低すぎず、35℃~37℃くらいがよいでしょう。手のひらより冷たさを感じやすい手の甲で触れてみて、温かいと感じるくらいで構いません。冬場は温かめに、夏はややぬるいくらいで丁度良くなります。

猫を湯に漬けるときは足から

続いて猫を足の先からゆっくり入れます。急に濡らすと驚いてしまいますから、湯に慣らしながらゆっくりと首元までつからせます。顔はタオル、ガーゼ、スポンジなどを利用して少しずつ濡らしてください。

シャンプーは首から尻尾へ

シャンプーを手で泡立て、猫の全身をマッサージするように指先で洗っていきます。このときは上から下、つまり首から尻尾へ向けて泡立てながら被毛をこするのが基本です。これを逆にして足から頭へ向けて洗っていくと、行き場を失ったノミが頭の方へ逃げてしまう可能性があるので注意しましょう。

汚れやすい場所は丹念に洗うこと

洗うときは丹念に、尻・足・尻尾といった洗いにくい場所の汚れを取るようにします。顔を拭うときは、湯や泡が目鼻に入らないようにスポンジで細かく触れます。忘れやすいのは足の裏指の付け根で、特に入念に洗う必要があるのが肛門の周りです。ここには臭腺という臭いを出す器官があり、犬と同じように糞便のつきやすいところでもあります。

猫にも肛門嚢がある

猫にも肛門を中心に4時と8時の方向に肛門嚢がありますので、もし膨らんでいる場合は中身を出してしまいましょう。このとき注意すべきなのは、分泌された液体を洗いおけに出してしまわないことです。せっかく綺麗にしたのに猫自身の分泌物で汚してしまっては意味がありません。事前に手おけの水を用意しておくか、シャワーで洗い流すようにしましょう。

すすぎは時間をかけて

十分に全身を洗ったら、今度は猫の体をすすぎます。シャンプーが残ってしまうと皮膚病の原因になりかねませんので、すすぎは特に時間をかけて行ってください。最初に用意したのと同じくらいの温度のお湯でかけ湯、または弱めのシャワーで首から尻尾までをすすぎます。シャワーを使う場合は、顔にだけはかけないように注意しましょう。

吸水性の良いタオルで猫の体を拭く

タオルを使って猫の体を拭いていきます。体をごしごしこするのではなく、押し付けて水を吸い取るようにすれば皮膚を傷つけません。このときは顔から尻尾・足へ向けて順番に水分を吸い取ります。

目の周り、耳鼻などの溝になっている部分は、タオルの端を使って水分を取りましょう。もしどうしても細かい部分の水が取れない場合はペーパータオルを使っても構いません。

毛を掻き分けながらドライヤーで乾かす

十分に水気を取ったと思ったら今度はドライヤーで乾かします。社会化期にドライヤーの音に慣れていない場合は大変かと思いますが、猫を驚かせないように10~20cm離し、熱過ぎない程度の温度で毛を掻き分けながら温風を当てていきましょう気化熱で体温が奪われてしまうので、部屋はなるべく暖かくしておくのがコツです。すすぎ同様、時間は充分かけてください。

もしドライヤーがない場合、音を怖がる場合は、静かなヒーターを使っても構いません。弱い温風を当てながらブラッシングをすれば、なかなかいい具合に乾いてくれます。ただし、人のいない場所でファンヒーターを使うと猫が近寄って火傷する場合もありますから、導入には充分な注意が必要です。

仕上げのブラッシング

乾いたら毛並みに沿ってブラッシングを行います。もし毛が絡まっていたらコームでとかしましょう。最後まで毛並みを整えると、後は暖かいところでゆっくりと猫を休ませます。

これでシャンプーは完了です。長毛種でない限りシャンプーをする機会にはなかなか恵まれませんが、トリマーや猫のケアをする仕事を目指す場合は、きちんと手順を覚えておきましょう。