Lesson13-1 シャンプーの準備・猫編

猫にシャンプーは必要ない?

猫は綺麗好きな動物なので頻繁に体を洗う必要はありませんが、シャンプーが必要ないわけではありません。たとえ屋内で飼っていようと、いかに綺麗好きの猫であろうと、被毛は汚れてしまいます。

さすがに短毛種となるとシャンプーの必要性は薄いのですが、長毛種ではそうもいきません。汚れの目立つ白い猫避妊手術をしていないオスにもシャンプーは必要でしょう。去勢せずに性成熟を迎えたオスはマーキングの際にスプレー尿を撒き散らしてしまう可能性が高く、肛門周辺の臭いも強くなってしまうからです。

シャンプーの頻度は犬ほどではありません。短毛種なら半年に1度もすれば十分で、長毛種でも月に1回すればいい方でしょう。

ただ、猫のシャンプーは犬より難しい面もあります。その最大の理由が猫は水を嫌うからです。これは先祖であるリビアヤマネコが寒暖差の激しい砂漠に住んでいたからではないかと言われています。昼間は暑く、夜は驚くほど冷え込んでしまうところでは、体を濡らしておくと命の危険があるのです。

猫の場合は、社会化期からしっかりお湯に慣らしておけば水に対する拒否感は薄れることもありますが、成長しても水嫌いのままの猫もいます。慣れたように見えても飼い主の命令に嫌々ながら従っている場合があり、シャンプーのたびに極度のストレスを与えてしまいかねません。もし猫が水を嫌っている場合は、汚れがさほどでもないならシャンプーをしないという選択肢もあることを覚えておいてください。

もし飼い猫が水を激しく嫌っている場合、あるいはほとんどシャンプーをする必要のない短毛種、妊娠中の猫、病気にかかって体力のない猫などの被毛を綺麗にしたい場合は、ドライシャンプーを使ってみるのが良いでしょう。洗浄力はさほどでもありませんが、これならあまり猫の体や心に負担をかけずにすみます。

猫のシャンプーで準備するもの

  • ペット用のバスタブ
  • 猫用シャンプー、猫用リンス
  • コットンや耳栓
  • ブラシ
  • 吸水性の良いタオル
  • スポンジ
  • ドライヤー

まず、猫にシャンプーをするためには専用のバスタブが必要です。といってもペット用のものをわざわざ用意するのは大変ですし、猫がじっとしていられるような大きさのたらいや洗いおけで十分に代用できます。

Lesson13-1

シャンプー・リンスは猫用のものを用意してください。人間の皮膚に合わせたシャンプーは猫にとっては刺激が強過ぎますし、猫が舐めてしまって体内に分解できない化学物質が溜まる可能性があるというのも理由の1つです。また、猫の皮脂は水を弾くものなので、人間の皮脂を洗い流すためのシャンプーでは効き目が薄いという理由もあります。

コットン・耳栓は猫の耳に水が入るのを防ぐためのものです。耳の内側が濡れると中耳炎や外耳炎になりかねませんので、あらかじめ耳に詰め物をして水の浸入を防ぎましょう。また、猫の体から水分を吸い取る際は、タオルでこするのではなく押し付けて吸う方が猫の体には優しいので、なるべく吸水性の高いものを選ぶのがコツです。

シャンプーの効果を高めるために事前にブラッシングを行います。ブラシやクシはその際に使うものですが、終わった後で毛並みを整えるのにも使えます。スポンジは顔を洗うためのもので、ドライヤーは毛の奥までしっかり乾かすためのものです。このあたりは犬と同じですね。

それらのものが準備できたら、いよいよシャンプーの実践に移ります。