基本的なブラッシングの方法を学ぶ
ここでは、様々な猫に応用できるブラッシングの方法について学びましょう。もちろん、ブラッシングをするには飼い猫に大人しくしてもらう必要がありますから、最初はしつけから入らないといけませんが、きちんと言うことを聞いてくれるようになれば問題ありません。
子猫の場合は、短毛種なら全身に触れて毛の流れに沿って撫で回す、長毛種なら1日1回コームの目の荒い方で整えてあげる、といった軽めのブラッシングが被毛のお手入れに最適です。生後1年経って毛がしっかりしてきたり換毛期に入ったりすると、本格的なブラッシングを始める時期です。
成猫のブラッシング頻度については、長毛種なら毎日朝晩1回ずつ、短毛種なら1日1回を目標とするのが良いでしょう。とはいえそんなに時間の取れるものでもありませんし、換毛期以外はそこまで徹底しなくとも大丈夫です。ペットのために時間を作ってあげるのはとても大事なことですが、けっして無理のない範囲で行いましょう。もしじっとしているのが苦手な猫であれば、2、3分で終わるような軽いお手入れを目安としましょう。
ブラッシングの道具
犬のところでも大まかには触れたのですが、手入れに使う道具に関しては犬と猫でそう違いはありません。本格的にブラッシングを行う場合、長毛種はスリッカーブラシで毛を落としてコームの荒い目の方を使って整えます。短毛種はラバーブラシを使って毛を取り除きます。仕上げには獣毛ブラシを使って毛並みの艶を出すなどしても良いでしょう。
もしトップコートの下にある抜け毛をしっかり取りたいなら、ファーミネーターのような特殊なブラシを使ってもいいでしょう。スリッカーブラシのように皮膚を傷つけてしまう危険性はありますが、上手に使えばアンダーコートだけをきっちり処理することができます。
ブラッシングの流れ
ブラッシングに慣れてくればスムーズに行くのですが、最初はやはり声をかけながら、猫が嫌いでない場所を梳いていきます。
まずはブラッシング用のテーブルなどに寝かせた上で、声をかけながら頭を押さえます。それから使用するブラシを頭にあて、ゆっくりと梳いていきます。
梳くときは毛の流れに沿いましょう。頭の毛は頭頂部を中心にして放射状に広がるように流れており、背中は肩から尻尾に向けて一方向に流れています。お腹側はちょっと複雑で、前足の付け根からはお腹の真ん中へ、太ももの毛は足の先へ、股の間の毛は背中側へそれぞれ流れています。
頭の毛を梳いたら次は背中です。毛並みに沿うようにブラシでとかしていきます。足の先まではやってしまっても構いませんが、尻尾は嫌がる猫も多いので、もしそのようなそぶりを見せたら中断してあげた方がよいかもしれません。
頭、背中と終わった後は首の下です。ここは非常に毛玉が出来やすい場所なので、顔を上に持ち上げて丹念にとかしていきます。続いてお腹側に移行しましょう。お腹や肢の付け根はこれまた毛玉が出来やすい場所です。
首元やお腹側をブラッシングするときの注意としては、あまり力を入れないことです。特にスリッカーブラシやファーミネーターのようなものを使う場合は、背中よりずっと柔らかい場所だということを意識しながら丁寧に梳いていきましょう。
スリッカーブラシやピンブラシ、ラバーブラシなどを使ってブラッシングを行った場合は、最後にコームで軽く整えます。これでブラッシングは終了です。