Lesson6-2 シャンプーの手順

シャンプーの手順

シャンプーの準備は整いましたね。それでは、今度は実践のコツを学んでいきましょう。

事前のブラッシング

シャンプーを行う前にブラッシングを行いましょう。抜け毛や毛のもつれが残っている場合にはシャンプーも効果的になりません。流れた毛が排水溝に詰まってしまう恐れもありますから、長毛種であれ短毛種であれ、事前にしっかりブラッシングを行いましょう。

シャワーの適温

シャワーの温度は人肌でちょっとぬるいと感じる程度の温度にしましょう。人間がちょうどいいと感じる温度だと、体温調整が間に合わずに熱中症になってしまう恐れがありますし、痒みやフケの原因となります。逆に冷た過ぎると今度は風邪を引いてしまいますので、30℃~37℃の間くらいで適温を探しましょう。35℃前後が高過ぎず低過ぎずといったところでしょうか。

全身を濡らす

温度が安定したら犬を濡らします。水圧があまり強くならないように調整しながら、シャワーヘッドを体に当てるようにして刺激と音を抑え、毛の生え際までしっかりと濡らします。

Lesson6-2

いきなり顔に水をかけるとびっくりしますので、まずは背中お腹と順に濡らしていきます。そうして最後に顔を濡らすときは、犬を驚かせないように手やスポンジを使うと良いでしょう。もし子犬などがシャンプーを怖がるようであれば、褒める・撫でる・おやつを与えるなどの正の強化子で機嫌をとります。

ちょっとしたお手入れのコツ

ちなみに、このときは犬の肛門付近にある肛門嚢を絞る格好の機会です。

肛門腺からの分泌物肛門から4時8時の方向にある肛門嚢という場所に溜まるのですが、ここを両側から指でつまみ、にきびの膿を出すような感覚でぎゅっと絞ってやると分泌液が出ます。

運動不足の犬、屋内飼いの犬は特に肛門嚢に分泌物が溜まりやすく、炎症の原因にもなりますので、なるべくシャンプーの機会に絞り出すようにしましょう。ただし臭いは相当なものなので覚悟はしておいてくださいね。

シャンプー

全身を濡らしたら、今度はいざシャンプーです。

シャンプーは原液で使うのではなく、必ず商品説明に書いてある薄さに希釈しましょう。

続いて薄めたシャンプーを体にかけます。それから首から尻尾までを、シャンプーをつけた手でマッサージする要領で皮膚と毛につけていきましょう。尻尾まで終わったら四肢を、そしてに揉み洗いするような感覚でシャンプー液をつけていきます。胴体を洗うときはラバーブラシを使うのも効果的です。

注意点として、耳を洗うときは耳の中まで洗う必要はありません。耳のお手入れは定期的な耳掃除で十分です。また、指を洗うときは指の間を丁寧に洗って雑菌の繁殖を防いでください。

全身を洗い終わったら今度はすすぎです。

ここでシャンプーが残っていたら皮膚病やフケの原因となりますので、全身くまなくしっかり洗い落としましょう。もしリンスを使う場合は、すすぎの後にシャンプーと同じ要領で全身にリンスをつけ、すすいで洗い流します。

犬の体を乾かす

すすぎが終了したら、犬の被毛から水分を拭い取ります。まずは体をぶるぶる震わせて水を散らしてもらいましょう。もし犬がこの動作を行わなかった場合、耳の中に軽く息を吹き込んでみるとやってくれることがあります。

水を飛ばしてもらったら乾いたタオルで水分を拭き取りますが、このときタオルは押し付けるにとどめます。全身を毛の流れに沿わずに拭いたりすると、せっかくとかした毛がもつれてしまう可能性があります。

最後にドライヤーを用います。短毛種の場合はすでに全身が乾いていることもありますので、基本的には長毛種に使うものだと考えてください。まずはお腹を冷やさないようにお腹側から、熱過ぎない程度の温風を当てながら、ブラシを毛の根元に当てて様々な方向に梳きながら水分を飛ばします。これでシャンプーは完了です。

ワンポイント

シャンプーを行う際は時間配分に気をつけるとよりよい結果が生まれます。

たとえ話ですが、皿洗いを想像してみましょう。汚れを落とすときはスポンジでこするのではなく、洗剤をしっかりつけることを重視しますよね。それと同じように、被毛の汚れを落とす際も全身をこすったりシャンプーの時間を長々と伸ばしたりしても効果が薄いのです。

シャンプーよりはすすぎやドライングの時間をしっかり取ることが大事です。濡れた部分を残さないように気をつけましょう。