Lesson15-2 避けるべき食材

避けるべき食材

犬にねぎ類や刺激物を与えてはいけないように、猫に対しても与えるべきではない食べ物はあります。もともと有害な食べ物には手をつけない動物ですが、他の食材と混ざったりすると口に入れてしまうこともあります。念のため、下記の食材は与えないようにしてください。

ねぎ類

犬同様、玉ねぎニンニクなどのネギ科の植物を与えてはいけません。ねぎの中には赤血球を壊す成分が含まれているため、貧血を起こしたり、尿が赤くなったりします。

生肉

肉を与えるのは良いことですが、あまり与え過ぎるのも困りものです。肉にはカルシウムの働きを妨げる成分が含まれており、食べ過ぎは骨の弱化につながります。また、生肉の中にはトキソプラズマが棲息していることもあるので、飼い主が妊娠中の場合は感染予防のためにも与えないようにしましょう。

チョコレートやココアなど

カカオの中に中毒を起こす成分が含まれています。人間の感覚でうっかり砂糖を取り過ぎるのも肥満のもとなので、なるべく与えないようにしましょう。

牛乳

猫の中には牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素を持たないものもいるため、体にいいからといってむやみやたらに与えると逆効果になります。

生魚

チアミナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれているので注意しましょう。あまり与え過ぎるとビタミンB1欠乏症を引き起こしてしまいます。火を通した魚鰹節などなら特に問題はありません。

生卵

卵も火を通さなければいけません。特に白身にはビタミンの一種であるビオチンを分解する酵素が含まれており、皮膚や目の炎症の原因となり得ます。これは加熱することで防げます。

カフェイン

コーヒーやお茶に含まれるカフェインは中枢神経に対する強い作用を持っています。もし人間の感覚で猫に与えしまうと強い興奮を引き起こして体調不良の原因となります。

骨類や植物の種

体に悪い成分があるわけではありませんが、飲み込んだ際に喉や消化器官を傷つけてしまう恐れがあります。また、杏やスモモの種は気管に詰まってしまう恐れがあるので、与えるときは種まで食べないよう注意深く見守るか、あらかじめ種を取っておきましょう。

猫草以外の草

猫が好んで食べる植物を猫草といい、イネ科の背の低い植物(たとえば燕麦など)が対象となります。猫草を食べる理由はいくつも考えられますが、主流の仮説――毛玉を吐くときに胃を刺激する、便秘予防のため、取りづらいビタミンを補充するため……なども裏づけが取れているわけではありません。

ひとつ言えるのは、猫草は猫にとって安全なものだということです。逆に猫が口にしてはならない植物が世の中には何百種類もあるため、ペットショップで売られているものやカラス麦、エノコログサ(猫じゃらし)といった安全なもの以外は食べさせない方が良いでしょう。

Lesson15-2

猫の食事と与えてはいけないものについての話は以上です。では、キャットフードに頼らずに、飼い主が健康を考えて食事を作るためにはどうしたらいいか、ということを次のLessonで学んでいきましょう。