Lesson9-1 鳴き声から感情を理解する

猫の鳴き声を理解する

猫とコミュニケーションを取るためには、犬同様その仕草の意味や行動の理由に思いを馳せる必要があります。まずは比較的解釈しやすい「鳴き声」から見ていきましょう。

猫の鳴き声は16種以上とも20種類以上とも言われており、それぞれの鳴き方にちゃんとした意味があります。

そもそも猫はなぜ鳴くのでしょうか。その理由は、母親に自分の居場所を教えた助けを求めたりするためです。もし飼い主と子猫の間でちゃんと絆が成立していれば、相手が母猫でなくとも庇護者へ向けるような鳴き声を発するのです。

Lesson9-1

また、猫同士でコミュニケーションを取るときにも鳴き声を使います。喧嘩、威嚇、発情期のお誘いなど様々な意味がありますので、猫が鳴き始めたらじっくり観察してみましょう。

それぞれの鳴き声の意味

ニャー

ニャー、というのは猫の代表的な鳴き声ですね。飼い主に対する要求を表すもので、「食事はまだ?」「遊んで!」といった意味になります。ただし、後のLessonでも触れますが、攻撃的な表情のときにこの鳴き声を出している場合は、不満を訴えている可能性も高いことに注意してください。

ゴロゴロ

喉の奥を震わせてごろごろ鳴いているのはリラックスしているとき。上機嫌な猫が満足感を覚えたときに発する鳴き声なので、幸せな気持ちでいるのだと考えていいでしょう。もともとは猫の親子間で使われたコミュニケーションの手段であるとも言われています。

ニャ!

人間でいうところの「やあ!」に相当します。知り合いや飼い主を見かけたときの挨拶として短い鳴き声を出します。ニャー、と鳴く場合と比べるとあまり頻度が高いとは言えません。

シャー! ミャ~オ~

威圧の鳴き声です。緊張した猫が相手を威嚇するとき、また気に入らない敵を追い払うときなどに使います。声の鋭さや猫の表情、体勢などがヒントになるので比較的気持ちを読みやすい鳴き声であると言えるでしょう。

ギャアー!

そう頻繁に聞くことはないと思います。緊張しているとき恐怖や苦痛におびえているときに、人間の悲鳴のような声が自然と漏れてしまうことがあります。この鳴き声を発したときは猫が怪我をしている可能性もありますので、体に異常がないかどうか調べてみてください。

ウニャウニャ

猫によっては、ご飯を食べているときにこんな鳴き声を出すものもいます。人間の言葉に翻訳するなら「美味である。余は満足であるぞ」といったところでしょうか。

カカカカ

獲物に興奮したとき、襲い掛かりたいのにできないもどかしい状態のときに発する鳴き声です。獲物を見つけて猫の狩猟本能が刺激されている状態だと考えると分かりやすいでしょう。

アーオー、ンニャーオー

いつもより低いだみ声を出すのは異性を誘うためです。発情期のメスがオスを呼んだり、呼ばれたオスがそれに応えたりするときにこのような声が出ます。オス同士が威嚇するときにも使われるようです。

夜鳴きは鳴き声とは違う?

夜、猫が遠く一点を見つめながら、犬の遠吠えのように大きく、発情期の鳴き声より更に低い音で、「オーン」「クオーン」と鳴くことがあります。これが夜鳴きです。

若いうちは元気が有り余って夜鳴きをすることもありますが、歳をとってから夜鳴きを始めると、病気のサインと考えられます。脳腫瘍や高血圧、認知症など様々な原因が考えるので、早急に対処する必要があるでしょう。