Lesson8-2 進化の系譜と猫の品種

猫の進化の歴史

犬と比べると猫の進化についてはあまり知られていないような印象を受けますが、もちろん研究はきちんと行われています。

およそ6500万年前、恐竜が絶滅して哺乳類や鳥類が天下を取りましたが、ここでようやくネコの共通の祖先ともいえる動物ミアキスが登場します。ミアキスは体長30センチ前後の樹上生活を送る肉食獣だったと言われており、そこからクマ科、イヌ科、全てのネコ科へと枝分かれしていきました。

紀元前2500万年ごろ、ミアキスからの進化の流れの中で、生活の場を平原へ移したものと森にとどまったものが現れました。前者はイヌなどの祖先に、後者はネコの祖先になったと考えられています。森へとどまったのがプロアイルルスという小柄な動物です。

ここから少し上顎や犬歯を長大化させた種として、紀元前800万~2000万年ごろの中新世にはプセウダエルルスという種が登場しました。ここから枝分かれした種の中にはサーベルタイガーなどもいますが、残念ながら絶滅してしまっています。

そうして紀元前1800万年ごろにプセウダエルルスからシザイルルスへ至り、紀元前1200万年ごろには全てのネコ科の元となる種族が現れたと言われています。そこからチーターやピューマに枝分かれして、やがてヤマネコが出てきて、リビアヤマネコまで来たらもうゴールへついたようなものです。そう、現在のイエネコはリビアヤマネコから進化したのです。

ネコの種別分類

ライオンやヒョウを含めると、ネコ科はおよそ37種類存在します。イエネコはその中の一種で、アメリカンショートヘアやペルシャなどの品種で分けると100種類を超えてしまいます。

ネコの品種はキャットクラブと呼ばれる団体が認定・管理しています。世界的に有名なものはCFA(THE CAT FANCIERS’ ASSOCIATION, INC.)やTICA(The International Cat Association)といった血統登録機関で、これらが純血種のネコを認定し、血統登録書を発行したり、優れたブリーダーをキャッテリーとして登録するなどの活動を行っています。

各団体で基準はまちまちなので具体的にネコには何品種あるとは言えませんが、およそ40種類ほどの品種がメジャーなものとして認められているとは断言してよいでしょう。アビシニアン、シャム、ベンガル、ヒマラヤン、メインクーン、ロシアンブルーなど、聞き覚えのある品種がその中に含まれます。

血統書

一般のペットショップでCFAやTICAに登録された血統書つきのネコが販売されることは稀ですが、もしブリーダーになりたいとかキャット・ショーに出してみたいと考えるなら、これら世界的に認められた団体の血統書のついたネコを買う必要があるでしょう。

ただし、入手が難しい上に高価であり、一般家庭でこのような団体のお墨付きのネコを買うことはまずありません。もし身元の確かなネコが欲しいという場合は、よりローカルな団体の血統書付きを選ぶ必要がありますが、事前にどのような団体かチェックしておくのを忘れてはなりません。

もちろん、そういった望みはなく血統にもこだわらないのでしたら、話はもっと簡単です。子猫を求める際は、ペットとして飼うならペットショップで、あるいはブリーダーから直接購入するという流れになるでしょう。次のLessonからはネコの一生と成長について学びます。