Lesson8-1 猫ってどんな生き物?

猫という動物

犬の看護やセラピーに関する基礎知識を学び終えたところで、次は猫について学んでいきましょう。

猫科の動物にはライオンやトラといった強大な肉食獣がいることから明らかなように、猫は本来狩猟動物です。ヤマネコから家畜化されて今のイエネコとなりましたが、その目的はネズミを捕るためでした。農耕が始まってネズミの害に悩まされるようになるまでは、猫は人間のライバルのような存在だったのです。犬とはだいぶ立ち位置が違うのですね。

ネコという言葉を使う場合は、より広義のネコというグループのことではなく、ヤマネコから家畜化されたイエネコのことについて語るのが一般的です。イエネコの学名「Felis silvestris catus」はそれぞれラテン語で「ネコ」「野生の」「ネコ」を表していますが、これはヤマネコ(Felis silvestris)におけるネコというグループの一員である、というような意味になります。生物学的にはリビアヤマネコから進化したものとされ、古代エジプト文明の頃には現代のイエネコに通じる種が登場します。

人間社会における猫の役割は?

人間社会における猫の役割は主に愛玩用です。田舎に行けば今でもネズミ捕りとして猫を飼う家がありますし、昔の日本では三味線のために猫を家畜とした例もあるのですが、昨今ではほとんど愛玩用と考えていいでしょう。

ただ、犬の章でも触れたように、最近ではアニマルセラピーが流行しています。猫と一緒に暮らすことで得られる健康効果については様々な書籍が出版されており、血圧が安定したり脳卒中などの予防にも効果があるとされています。

Lesson8-1

犬と比べたらあまり社会的に貢献しているとは言いがたい猫ですが、ペットとしては犬に並ぶわたしたちの友達です。特に2010年代からの猫ブームがきっかけとなり、猫の飼育頭数は増加傾向にあります。その猫たちについて、犬同様にいくつかのことを学んでいきましょう。