Lesson4-2 ケージやサークルの設置と用意するもの

愛犬のためのスペースを!

屋外で飼う場合は犬小屋を用意しますが、事情は屋内でも同様です。以前のLessonでも書いたとおり、犬は穴の中で暮らす生物なので、ある程度狭くて落ち着ける場所が必要になります。部屋中で放し飼いをすると犬は「この部屋は全て自分の縄張りである」と感じてしまい、無用なストレスを感じることになりかねません。そこで、部屋の一部を柵で囲って小さなスペースを用意してあげる必要があります。これをケージ、サークルと呼びます。

Lesson4-2

また、トイレのしつけのためにも屋内トイレを設置する必要があります。以前のLessonではトレーニングトイレをご紹介しましたが、こちらにも色々な種類がありますので、目的や部屋の大きさに合わせて購入を検討しましょう。

ケージ、サークルの選び方

天井と床があるタイプのものをケージ、柵で囲ってあるものをサークルと呼びます。

前者はお手入れが大変なぶん、犬を中に入れたまま移動させることもできますし、脱走の心配もありません。後者はその逆と考えていいでしょう。ケージやサークルの中には成長にしたがって拡張できるものなど、様々な種類がありますので、目的にあったものを選ぶようにしてください。

大きさの目安は、くつろげる場所やトイレを置いても体をUターンさせられる程度の広さ飛び越えられない程度の高さがあればOKです。

サークル・ケージの中に入れておきたいものは以下の5つです。

  • 寝床(クレートなど)
  • トイレ
  • 安全な遊び道具
  • 水が飲める器や水飲器
  • くつろぐためのクッション

寝床

犬の体がすっぽり入る程度の大きさで、犬にとっては最も大切な「自分の場所」となります。人間と同じように、小さな個室用のスペースを確保すべし、ということですね。クレートという扉付きの犬用カプセルホテルのようなケースで代用することも可能です。寝室用としての利用がメインですが、扉を閉めて犬を中に入れたまま動物病院に連れて行くなど、移動用にも使えます。

ただ、動物福祉の考えからクレートの使用を禁じる国もあります。犬が自主的に落ち着くために入るのならともかくとして、狭い場所に閉じ込めるために使うのであれば、やはり良いこととは言えません。導入する際は、クレートが安心できる場所になるよう、クレートに入っているときだけは絶対に犬を叱らないなど、きちんとしつけを行う必要があるでしょう。

トイレ

Lesson3-2で学んだように、犬が決まった場所に排泄できるようにトイレを設置してあげるのはとても大事なことです。最初は囲いのあるものを使ったほうがしつけに都合が良いので、囲いや柵の取り外しができるものを買うのがよいでしょう。

縄張りを張るタイプの動物は、巣から離れた場所で排泄行動をとる傾向にあります。トイレを設置する場合は、その点を考慮して寝床からはなるべく遠ざけましょう。もう少し条件を加えるなら、あまり人が通らず部屋の隅になるようなところが望ましいでしょうか。

安全な遊び道具

飼い主が不在のときに備え、犬がストレスを解消するための遊び道具を用意する必要があります。注意すべきは、犬が誤って飲み込んでしまわないようなものを選ぶこと、長時間噛んだり舐めたりできるものを選ぶことの2点です。噛み砕けるようなものや、うっかり飲み込んでしまえるようなものは与えるべきではありません。

水が飲める器

洗面器のような安定感のある器や、ケージに取り付けられる給水器などを使います。ただし、犬は舌の裏で器用に水をすくって飲むというちょっと特殊な飲み方をしている動物なので、なるべくなら器状のものに水を張れる状態にすべきです。

くつろぐためのクッション

寝床用のクレートとは違って、犬が寝そべってくつろげるようなクッションを1つでも用意できるとなお良いでしょう。なるべく衛生的な素材で、洗ったり干したり手入れが簡単なものを選ぶのがコツです。

以上が犬用家具というべきものの役割と設置のコツです。快適な住環境を整えることで、飼い主も犬もストレスのない、お互いにとって住み心地のよい状態を作り出しましょう。

次回のレッスンからは、犬の健康に配慮したグルーミングやセラピーの方法を学んでいきます。